のむヨーグルト チチヤスの飲む脱脂粉乳? |
チチヤス
のむヨーグルト
ビフィズス菌入り
(チチヤス株式会社:広島県廿日市市)
№0650
会社近くのミニストップで購入、105円でした。
製造は、ルナ物産株式会社(愛媛県松山市)が行なっています。
チチヤスさんは、大正4年にわが国で
はじめてのヨーグルトを発売した会社です。
創業から30年経て発売したこのヨーグルトは、
国民の健康を願う創業時の精神を受け継ぎ、
「 医食同源 」の思いで研究を重ねた商品だったのです。
明治19年に広島合資ミルク会社として設立された
チチヤスさんの趣意は、利益を優先しないで、
貧しい者を助けることを目的とするものでした。
当時、文明開化で西洋文化が取り入れられてきた
日本でしたが、貧富の差が大きく、大衆の健康状態も
経済力に左右されるような状態だったのです。
そのことを嘆いた創業者の野村保氏は、文献を頼りに、
牛乳の生産・販売を行う会社を設立したのです。
「 貧しいものを救済し、国民の健康に貢献するという大利を
もとめるという慈善事業である 」 これが設立の目的です。
創業当時の日本では、まだ牛乳は一般的なものではなく、
不浄のものとして扱われることも多かったようです。
ただ、健康に良いという認識は徐々に広まっており、
病にかかった人などが薬代わりに飲むことが一般的でした。
牛乳が普及し、チチヤスさんの事業が人々に
認知されるようになったのは、日清戦争のとき、
広島に大本営を置かれた明治天皇が、チチヤスの
牛乳を愛飲したことがきっかけだったのです。
牛乳とチチヤスさんの評価は、これを機会に広まりました。
ヨーグルト製造とブルガリア乳酸菌の純粋培養を学んだチチヤスさんは、
大正4年に、国内で初めて大量生産のヨーグルトを発売したのです。
ヨーグルトをつくる菌は、当時はまだブルガリア菌のみでしたから、
発酵臭がとてもきつく、相当酸っぱい飲み物だったそうです。
写真は、復刻された「 チチヤスヨーグルト 」です。
しかし、健康食品としてのヨーグルトに
着目したチチヤスさんは、業界に先駆けて
販売に踏み切ったのです。
実際、そのころのヨーグルトは、
病を患ったような一部の人だけに、
薬のように飲まれていたようです。
あれから随分とたって…今では個人が当たり前のように、
自分で カスピ海ヨーグルト のような菌を育てています。
それに比べれば…これは、安易な味で、真剣さがありません。
できれば 「 生乳 」と「 砂糖 」だけ で作ってほしかったです。
味は、さっぱりとして甘くて、それなりにおいしいです。
パッケージを簡素化して価格を105円に
抑えたことは、大変評価できます。
でも…飲んでいてチチヤスさんらしい個性を
まったく感じないのは、今回とても残念でなりません。
「 国民の健康を願う 」という創業時の気持ちに戻って
「 医食同源 」の思いで、またドリンクを作ってください。
このドリンクでは…ご先祖さまに笑われます。
10段階で5です。