天国の天野さん…さようなら 「 夕暮れ時はさみしそう 」 |

7月4日にも書きました が、
NSPのリーダー「 天野滋 」さんが
7月1日、脳内出血で亡くなりました。
52歳だったそうです。
7月4日は読売新聞の記事を参考に載せておきましたが、
今日は自宅で、もう一度改めて聴きなおしています。
新聞の紹介では、NSPについては、1970~80年代に、
「 夕暮れ時はさびしそう 」などがヒット曲となったとあります。
けど私としては… ブログに書いた、「 歌は世につれ 」 が一番好きです。
青春の1コマを叙情的に歌い続けて、アルバムの総セールスは300万枚。
今でも、私のようなオジサンの心をとらえるグループです。
今年3月12日の、東京・渋谷公会堂が最後のライブとなりました。
癌が脳に転移し視野が狭くなる中、ファンに悟られないように
ステージでも最後までジョークを飛ばしていたそうです。
かつてNSPのメンバーで、現在ポニーキャニオンに勤める
「 平賀和人 」さんが、次のようにコメントされていました。
『 ゴール前で転びながら、シュートするようでした。
(病苦でも)得意のジョークを飛ばすような男でした 』
以前も書きましたが、国立一関工業高専の同級生3人が、
ピンク・フロイドにあこがれ、バンドを結成します。
それが「 サディスティック・ピンク 」でした。
結成当時は、なんとロックバンドだったのです。
『 フォーク全盛で、アンプなど機材が多く、肩身が狭くなった 』と
「 ニュー 」をつけて、ファークに転じたと平賀さん。
大ヒットした「 夕暮れ時はさみしそう 」についてのコメントとして、
「 天野が『 すごい曲ができたぞ! 』とギターを弾いて
聞かせたら、まるでお経みたいで笑っちゃった。
でも、今考えればラップのハシリみたいな曲でした 」と
平賀さんが当時の裏話として語っています。
彼らは、70年代当時、多くのフォーク系歌手と同様に、
テレビには出ませんでした。だから当時を知る者としては、
「 中島みゆき 」が紅白に出たのも、ビックリしたほどです。
当時は、TV番組でカメラの前で、2分くらいで曲の1番だけ歌っても
視聴者には完全に伝わらないという理由だったと思います。
自分達を理解してくれるファンの前で歌うコンサートを選んだのです。
多い時では、年間に250回を超すライブをこなし、
当時は遊ぶ暇もなかったといいます。
音楽性の違いで平賀さんと中村貴之さんが相次いで脱退し、
86年には一旦活動を休止しましたが、「 解散 」はしませんでした。
きっと天野さんの気持ちの中に『 3人いてこそNSP 』という
変わらぬ想いがあったと…いまではそう信じることにします。
その後、ポニーキャニオンに転じた平賀さんが、
NSPのボックスCDを手がけたのをきっかけに、
2002年から3人で活動を再開して、昨年から全国ツアーを
開始した矢先に、天野さんの大腸癌が発覚したのです。
2004年2月上旬、病院の担当医からは、
「早ければ6ヶ月、長くても2年以内です」と告知。
でもコンサートでは『 これからの人生、どれだけ生きられるかではなく、
どう生きるかです 』と話しながら、最後まで病気であることを
語らなかったそうです。きっと…はずかしがりやの天野さんの、
ファンへの「 おわかれの挨拶 」だったのでしょうね。
平賀さんが、最後に天野さんと言葉をかわしたのは、
6月26日のお見舞いでのことだったそうです。
病室を出るときに『 何か持ってくるか? 』という問いかけに
天野さんは『 おう 』と応じたそうです。
最後まで…シャイで繊細な人だったのですね。
時が経って、あの頃は大人になりきれていなかった
「 青春たち 」も…いまでは立派な大人になりました。
大人でもなく子供でもなかった、宙ぶらりんの心を支えてくれた
NSPも、当然あの頃のままでいるわけではないのですが…。
今日もやっぱり、 あの泣きそうな…天野さん を思い出します。
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田舎の堤防 夕暮れ時に
ぼんやりベンチにすわるのか
散歩するのもいいけれど
よりそう人が欲しいもの
あの娘がいれば 僕だって
淋しい気持ちにゃならないさ
まわりの暗さは僕たちのため
あの娘が来るのを待っている
夕暮れ時はさみしそう
とっても一人じゃいられない
夕焼け雲さん 伝えてくれよ
あの娘のお部屋の窓ぎわへ
虫にさされるのはいやだけど
肩を並べていたいよと
こんな河原の夕暮れ時に
呼びだしたりして ごめんごめん
笑ってくれよ ウフフとね
そんなにふくれちゃいやだよ
夕暮れ時はさみしそう
とっても一人じゃいられない
夕暮れ時はさみしそう
とっても一人じゃいられない
おうちの人におこられるかな
呼びだしたりして ごめんごめん
もうちょっとだけ 一緒にいよう
帰りたいなんて言わないで
そうか 君は笑うのが
へたになっちゃったんだね
あんまり僕を困らせないで
そろそろ笑ってくれよ
こんな河原の夕暮れ時に
呼びだしたりして ごめんごめん
笑ってくれよ ウフフとね
そんなにふくれちゃいやだよ
夕暮れ時はさみしそう
とっても一人じゃいられない…
(天野滋作詞作曲・NSP唄「夕暮れ時はさみしそう」より)
JASRAC許諾第J050912808号
NSPの代表作の、「 夕暮れ時はさみしそう 」
きっと天国のベンチには、…誰か座っていますから
もう、さみしくないと思いますよ。天野さん。
それから季節は冬ですが、「 さようなら 」という曲も好きでした。
天国の天野さん…さようなら
(この記事は、10月1日に加筆・修正を行なっています)